
(69)上手にメールを使う方法
メールは便利な情報伝達手段である。こちらの都合のいいときに送っておけば、相手は自分の都合に合わせて開封し、対応してくれる。時差のある外国とやりとりをしなければならないときなど、とても重宝する。しかし、メールには守らなければならないルールがある。ルールを守らなければ、便利な手段がかえって問題を引き起こしてしまう。メールの上手な使い方を考えてみたい。
(1)メールは、情報を伝える手段であって、コミュニケーションの手段ではない。
コミュニケーションとは、わかり合おうとするプロセスであり、双方向の意思疎通である。一つの言葉を発して、それを相手がどう受け止めたかを見ながら、次の言葉を選ぶ。相手の反応に応じて次の対応を変えるのがコミュニケーションである。しかし、メールでは、それがやりにくい。結局は一方通行の情報伝達になってしまう。
相手の気持ちを推し量りながらメールをやりとりするには、お互いを相当よく知っているか、高度な文章力と読解力を必要とする。メールは、事実を伝えたり確認するにはいいが、気持ちを伝えるには向いていない。その意味で、ごく限られた場合を除いて、コミュニケーションの手段にはなりにくい。
コミュニケーションをとろうと思うのなら、直接会って話すか電話で話すのがよい。直接会えば、言葉だけでなく、表情や身振りなどの情報も交換できる。「わかりました」という言葉を相手が使うとき、心から受け入れてくれているのか、渋々同意しているのかは、直接会って話していればわかるものである。
電話も大切なコミュニケーション手段である。相手の顔は見えないが、声の表情を感じ取ることができる。「すぐにやってほしい」と言われたとき、どれくらい急を要しているのかは相手の声のトーンやスピードから知ることができる。今すぐなのか、今日中に対応すればいいのかは、文面ではなかなか伝わらないことが電話なら伝わる。
(2)メールでは事実を簡潔に伝えるように工夫する。
長いメールを書く人をときどき見かけるが、相手が最後まで読んでくれると思わない方がいい。メールは読み物ではなく、情報を伝える手段である。相手が読んでくれなければ意味がない。長さとしては、スクロールしなくても読めるくらいが望ましい。そのためには、伝えたい内容を箇条書きにすることが有効な方法である。例えば、次のように書く。
このメールでお伝えしたいこと(お願いしたいこと)は3つあります。
第1に、○○。
第2に、△△。
第3に、☆☆。
必要であれば、期限を書き加えておくと良いだろう。詳しい説明が必要であれば、直接出向くか電話をかけて確認するとよい。
(3)すぐに返事ができない場合は、メールを受け取ったこと、返事を数日待ってほしいことを伝える。
メールを出した方は返事を期待している。返事が来ないと、届いていないのではないだろうかと心配になる。届いたメールに対してすぐに返事が出せないことはしばしばある。そんなとき、とりあえずメールが届いたことを返信してあげると相手は安心する。ちょっとした心遣いが大切である。
冒頭にも述べたように、メールは便利な手段である。便利な手段がトラブルの原因にならないようにするには、その特性を十分理解して、上手に使うことが肝要である。
(以上)
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